沖縄から、たのしく働いて稼げるエンジニアを輩出する。〜Tech BASE Okinawa for Students〜イベントのようすをお届け!

コンセプトは「沖縄×エンジニア」。楽しく、そして稼げる未来のエンジニアを輩出する目的で10月2日(日)、沖縄最大級の学生向けTechイベント「Tech BASE Okinawa for Students」がコザスタートアップ商店街で開催されました。
開催の目的
当イベントは「沖縄に住みながらワクワクする仕事がしたい」「沖縄に住みながらより多くの収入を得たい」「沖縄に住みながら社会や地元経済に貢献したい」。このような思いを抱える人々により多くの選択肢を与える目的で、コザスタートアップ商店街や株式会社ユーザーベースなどが企画。イベントはkeynote(講演)、セッション、ランチ交流会など、2会場で11セクションに分けられて進行されました。
沖縄出身で、衛星データの活用と競技形式の技術開発手法に着目した事業を展開する株式会社Solafuneの上地練代表取締役CEO、同じく沖縄出身で、自然言語処理や画像解析、異常検知など100社を超えるAI構築のコンサルティング・開発に従事するちゅらデータ株式会社の真嘉比愛代表取締役/沖縄ITイノベーション戦略センター理事、日本とシンガポールでERPの開発(申請WF・会計・電帳法対応等)に従事し、その後LINEで新銀行の立ち上げ、現在は新規事業創出支援と経済メディアの開発に従事する赤澤剛AlphaDrive CTO/NewsPicks Fellowらをはじめ、県内外から多くのゲストが登壇し、自身の体験談をもとにエンジニアのキャリアに関するさまざまな考えをシェアし、参加者と交流を深めました。
主催のコザスタートアップ商店街代表の豊里健一郎氏は冒頭のあいさつで「これからの沖縄は、所得と生産性を上げ、利益と付加価値を生み出すIT産業に力を入れなければならない。今日は、沖縄にあるIT企業がどういった働き方をしていて、どう利益を生み出しているのかを知り、エンジニアとしての選択肢を広く持っていただきたい」と期待。最大級の学生向けTechイベントが幕を開けました。

コザスタートアップ商店街代表の豊里健一郎氏
学生を中心に約70人が来場
開場の午前10時半、メイン会場の「Lagoon Koza(企業支援施設)」には続々と参加者が来場しました。学校や塾の張り紙を見て来た学生や、県外から足を運んだ若者も多くみられ、学生に限らず、これからエンジニアを目指す社会人も多く訪れました。


続々と会場に集まる参加者
沖縄市泡瀬出身、神奈川でカフェ経営をしながらフリーランスウェブデザイナーとして働く兼島凛さん(21歳)は、「いずれは地元に戻ってきて沖縄を盛り上げたい。今日はウェブに関わる者として、沖縄ではどんな働き方があるのか気になって来ました」と、参加の背景を語ってくれました。
オープニングセッション「イベントへの期待」
オープニングセッションを盛り上げたのは豊里氏、 株式会社ユーザベースの稲垣裕介代表取締役Co-CEO/CTO、沖縄国際大学の学生で株式会社Hugkun所属の知念 航太さん。沖縄の未来を担う参加者らに向けて、それぞれメッセージを伝えました。

登壇する稲垣氏と知念さん
稲垣代表取締役は「将来、苦しい思いをして働くのはよくない。中長期的にみた時に、ワクワクしたり前を向いて働くことってすごく大事。今どうこうというよりも、この先の未来をどうしたいか。人とのつながりはパワーになるから。今日はいろんなエンジニアの人生を聞いて、多くの方とつながってほしい」。
知念さんは「僕自身もこれから就活をしたりエンジニアを目指すうえで、イベントを通じてキャリア教育について改めて考えてみたい。今活躍するエンジニアたちは、どういった選択を経て進んできたのかを聞けるといいな」と話し、それぞれイベントへの期待を込めました。
ランチタイム「自己紹介」
オープニングセッションの後は昼食時間が設けられ、参加者らは屋外の商店街スペースに用意された席で食事をしながら、互いの自己紹介やイベント参加へのきっかけなどを語り合って交流を深めました。



ランチタイムのようす
初対面の方々も多い中、皆さんフレンドリーに会話をしながら食事を楽しんでいました。セッションの中でもトピックに挙がったことですが、エンジニアは技術だけではなく、同じ分野で活躍する仲間同士の「オフラインのつながり」が大事とのこと。
今回イベントに足を運んだ参加者も、「人との縁」を大事にし、コミュニケーションを大切にする方々なんだろうなと感じるランチタイムの一コマでした。
Keynoteセッション「沖縄×エンジニア」の可能性と新しいキャリア
昼食時間を経て少し打ち解けたようすの参加者ら。席に戻ると、資料を広げて自身の目標や専攻の紹介をする学生や、積極的に登壇者に話しかける方もいました。
ここからはKeunoteセッションと呼ばれる講演トークイベント。株式会社アルファドライブの麻生要一代表取締役CEOが進行を務め、上地練代表取締役CEO、真嘉比愛代表取締役と「沖縄×エンジニア」のこれからの可能性と新しいキャリアについて話しました。

参加者に話しかける真嘉比氏(右)と上地氏(左)
上地氏は、会場のコザ商店街から徒歩5〜10分にある沖縄市上地出身。コザ中学校、普天間高校を卒業し、カリフォルニア大学バークレー校に進学。
上地氏の事業を簡単に説明すると、「人工衛星が取得してくる地球の観測データをビジネス利用するために、そのアルゴリズムをつくること」。無限の可能性を秘めていそうな事業内容に参加者らも目を輝かせました。
1997年生まれで、自身もエンジニアだったという上地氏。数学科出身で理論物理の学びを深めるうちに、世の中をどう数式で記述するかという分野に興味があったといいます。
「ソフトウェアを使えばもっと早くできる。面白そう。ちゃんと事業として儲ければサステイナブルに運営ができると思い始めた」と事業の背景を説明してくれました。

セッションに耳を傾ける参加者ら
真嘉比氏は読谷村、読谷中、沖縄高専出身。大学を卒業後に東京で就職し、2017年に「ちゅらデータ株式会社」を創業しました。企業立案、コンサルティング、AIモデル構築、システム開発から運用まで、データ活用に関するさまざまなサービスをワンストップで提供する事業を展開しています。
「おもしろい会社を作りたくて沖縄に戻ってきた」という真嘉比氏。同社の目的は「沖縄の労働問題をぶち破り、高賃金で、最先端かつやりがいのある仕事を、最高の仲間と一緒に創り上げること」。
セッションでは、事業に対する熱い思いから社員の給与まで、リアルなエンジニアの現状と会社の魅力を話してくれました。
■「沖縄のエンジニア」についてどう思うか?
セッションは複数のカテゴリーに分かれて行われました。「沖縄でエンジニアとして働くことに対してどう思うか」という質問に対しては、両氏異なる角度から意見を共有。
上地氏:「やめとけ〜って思う笑。理由は、まだまだ沖縄ではエンジニアの価値が知られていないから。海外とまでは言わないが、県外、特に東京に出たほうが楽しさや給与、学びの面でもいいんじゃないか。いろんな世界を見た方がいい。そのほうが面白いサービスやプロダクトがいっぱいある」。
真嘉比氏:「ITは、住む場所に囚われない素晴らしい可能性をもった技術。わたしは沖縄でそれを証明したかったから今の会社を創業した。ただ、住むところの話に囚われないでいいと思う。弊社も社員の半数は違う場所で働いているし、何をしたいか、何ができるか、誰と働くかを軸に考えるといいのではないか」。
司会の麻生氏:「コロナ禍を経て、フルリモートの会社が増えているよね。沖縄に住みながら、エンジニアとして東京やアメリカの社員になるのはどう思う?」
